第四弾 〜西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所とは・・・

西村あさひ法律事務所は2004年1月1日付で西村総合法律事務所及びときわ総合法律事務所が統合して設立された総合法律事務所です。統合により当事務所は、企業法務、金融法務、渉外業務、事業再生・倒産法務などの幅広い分野に豊富な経験と実績を有する国内有数の大型法律事務所となりました。当事務所は、単に弁護士数の増加だけではなく、秘書・パラリーガルなどの他、M&Aの経験豊富な顧問など幅広い専門家も揃えることにより、さらに大規模な案件やより多くのクライアントに対応できる体制に発展しつづけています。
詳しくは→http://www.jurists.co.jp/ja/index.html
西村ときわ法律事務所取材報告
法律事務所の取材も今回がラストとなりました。最後を飾るのは「西村あさひ法律事務所」。先日お邪魔しましたフレッシュフィールズさんと同じくアーク森ビルにある法律事務所です。
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こちらの事務所は2005年12月1日現在で、弁護士数212人、外国人弁護士6名、税理士2名、パラリーガルや秘書などの所員296人、合計516人という大規模な法律事務所で、パラリーガルの数は弁護士事務所の中で最大級とのことです。
扱う業務内容が多岐に渡るため、企業法務、破産・事業再生法務、金融法務から、それぞれ3名のパラリーガルの方(計9名の方)に取材させていただくことになりました。
仕事内容について
- 企業法務:
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商法等に基づく会社の管理業務や商業登記に関する業務がメインで、株主総会や取締役会の議事録等の作成、登記申請書や添付書類の作成、先例・実例などのリサーチや法務局での相談などを行っているそうです。全部で30名ほどいて、それぞれが業務ごとにグループに分かれて仕事をなさっています。また、デューディリも多くなってきているそうです。英語力は絶対条件ではありませんが、業務上使用する機会は多いようです。
デューディリとは…Due diligence。「法的監査」のこと。
- 破産・事業再生法務: 破産と事業再生法務で分かれています。
- 破産
- 事業再生
主に、破産管財人の業務、破産申立てに関する業務を扱っています。
部門の垣根を越えデューディリをすることもあります。
民事再生手続の申立て、会社更生手続、倒産した会社の債権を回収する業務などをします。破産と事業再生法務、各7名ずつ計14名(2005年12月1日現在)のパラリーガルがいます。破産は男性が多く、事業再生法務はほとんどが女性だそうです。英語はあったほうがよいとのことですが(外国の会社もあるから)、国内の企業がほとんどのため必須でありません。
- 金融法務:
- 毎年全員が行うのは、有価証券報告書の作成です。クライアントが外国企業や外国政府であるため、英文メールの作成および翻訳業務を含みます。実務的な作業やスケジュール管理は弁護士ではなくパラリーガル主導ですすめることになります。そのほか、債券や株式の発行の際に必要な法定開示書類の作成、証券会社から依頼されて行う仕事や、ベンチャー企業が上場する際に、弁護士とチームになって内部制度や規則を整える仕事などを扱います。
2005年12月1日現在16名が所属し、全員女性とのことです。
翻訳業務があるため英語力は前提・必須条件ですが、何よりも英語に抵抗がない人や、向上心を持って学ぶことができる人(使う英語がかなり特殊だから)が望ましいとのことです。
最近よく扱う事件や案件は?
企業法務では、前述のデューディリが最近かなり多くなってきているそうです。
破産部門では、破産案件は減ってきて民事再生やデューディリをよく扱うようになってきており、事業再生法務では、民事再生や会社更生事件に加え、債権回収案件が増加傾向にあります。
金融法務では、特にこれが多くなってきている、というものはないようですが、仕事内容が景気や経済活動に連動している面もあるため、金融機関のM&Aに伴う株式の発行や新規株式公開支援が増えてきています。
高度な知識はいつ、どのように習得・勉強されましたか?
前述の通り、パラリーガルの仕事は非常に高度で、専門性の高いものとなっています。このような知識をいつ、どうやって習得なさったのか、質問してみました。
ほとんどの方から、法律事務所に入ってから、案件に即して自分なりに勉強しました、というお答えをいただきました。扱う内容の多くは大学や司法試験受験で勉強する教科書的な内容では十分でないので、実務に即した取扱いなどを勉強しなければならないそうです。また、法務部各部署ごとの勉強会や弁護士主催の勉強会に参加したり、新入所員のためのセミナーや新人弁護士セミナーを新人弁護士と一緒に受講するなどして、自習した内容を強化するようです。必要に応じて、(会社法改正など)そのつどセミナーを開いて欲しいとパラリーガルのほうから弁護士に要望を出したりすることもあるようです。
新卒、中途採用について
企業法務は新卒・中途半々ぐらいで、有資格者(司法書士)もいます。 破産・事業再生法務では、新卒採用より中途採用の方が多い傾向にあります。扱う業務内容を考えると、新卒よりも社会人経験がある方のほうが、仕事に馴染みやすいからでしょうか。
金融法務では、新卒のほうが若干多いですが、中途で入る方もいます。金融法務に限りませんが、司法試験の勉強をしていた方が中途で入る場合もよくあります。
基本的に法学部卒であることが条件になっているようです。一定の法律知識があることが大前提であるということなのでしょう。
パラリーガルになったきっかけ
続いて、パラリーガルになられたきっかけや理由をお聞きしました。
それぞれ色々な経歴や経験をお持ちで、まさに十人十色といった印象を受けました。
- Mさん[金融法務]:
- 大学卒業後、司法試験の勉強をしていましたが、就職することを決意した際に今まで学んだことを生かしたいということで、パラリーガルを考えました。この事務所には、求人が出ていたのを見て応募しました
- M2さん[金融法務]:
- 大学時代からパラリーガルになりたくて、新卒で入所しました。学生時代は公務員試験の勉強もしていました。司法試験に合格するという方法ではなく、弁護士の指示のもとではありますが、弁護士と同じような仕事ができるという点に魅かれ、パラリーガルを目指しました。
- Kさん[金融法務]:
- 普通に就職活動をしていたときに(普通の企業を考えていた)、たまたま大学で法律事務所の求人を見つけ、法律と英語が生かせるパラリーガルという職種に魅力を感じ、2〜3の事務所を受けました。当事務所が一番パラリーガルという職種が確立されていると感じたため、この事務所を選びました。
- Tさん[破産法務]:
- 大学卒業後、ある会社に就職しましたが、その業界自体が景気が悪く、先行きが悪かったため転職活動を始めました。専門的な知識を使った仕事をしたいと考え、もともとは企業の法務部に転職できたらと思っていたのですが、この事務所なら企業法務もやっているので、企業の法務部と同じ仕事ができるのではと思い転職しました。
- Kさん[金融法務1年→現在は破産法務]:
- 大学院卒業後、もともとは小さな法律事務所にいました。その事務所では、事務員は私だけだったので、事務・秘書・パラリーガル業務すべてを兼職していました。訴訟の一連の仕事の流れ(裁判実務)はそこの事務所で学びました。しばらく勤めた後、もう少し人が多い事務所で働いてみたいと思い転職しました。
- Kさん[企業法務]:
- 司法書士の資格を取得した後、どこで働くかということを検討した時に、一般的な司法書士事務所では扱う案件が限られてくるように思えたので、まずは規模の大きな法律事務所で経験を積みたいと思いこの事務所に入りました。そのとき募集していたのがパラリーガル職だったことが、パラリーガルになったきっかけです。
- Sさん[企業法務]:
- 大学卒業後、一般企業に入ったものの、物書きの仕事をしたいと思い、その会社を退職して派遣社員として働いていました。その後、何か資格を取得したいと思い司法書士の受験勉強も始めたのですが、そのうちに、こちらの事務所の図書室で派遣として働く機会を得ました。2年ぐらい派遣として働いたのですが、その際にパラリーガルという仕事を知り、中途採用試験を受験させてもらって、法務部の正社員として入りました。
- K2さん[企業法務]:
- 元司法試験受験生で、もともと知人がここで働いていて、パラリーガルとして充実した仕事ができる環境にある事務所だという話を聞いていたこともあり、新聞に求人が載ったのを見て応募しました。
仕事の時に気をつけている点、心がけている点
仕事中に特に気をつけている点があるか、お答えいただきました。
とにかく正確で完成度の高い仕事をするために、ダブルチェック・トリプルチェックをしてミスをなくすように心がけているようです。また、実務での経験をもとにちょっと気になるところや感覚的におかしいな、と感じるところはちゃんとチェックし、弁護士に報告しているそうです。
当たり前のことかもしれませんが、実務家である意識を忘れずに仕事に臨む姿勢が大切ですよね。
パラリーガルを目指している方へのアドバイス
最後に、パラリーガルを目指している方へのアドバイスをいただきました。
- 男性パラリーガルの方からのアドバイス:
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- 几帳面さや細かさは必要かと思いますが、とてもやりがいのある仕事です。弁護士業務自体男女の違いはないのだから、その手助けをするパラリーガルも、男女どちらに向いている、向いていないということはないと思います。男性だからという理由で諦めないで、是非ともチャレンジして欲しいです。
- 法律の勉強も大切ですが、知識に偏りすぎず、社会人としての素養を忘れないようにしてください。
- 事務所によって雰囲気や業務内容はまったく違ってくるので、専門的な法律の知識が必須という訳ではありません。自分に合った事務所を積極的に探してください。
- 司法試験・司法書士受験生へのアドバイス:
- 頭を切り替えて基本に立ち返ることが大切です。もちろん法律の知識も使えますが(特に民法、商法)、仕事で使う法律は試験科目以外にもたくさんあるので、新たなスタートだと考えて欲しいです。
- 知識はそのまま活かせる部分もあるが、実務との違いを意識することが大事です。
- 共通する意見として:
- 向上心のある人が向いています。知りたい、わかりたいという意欲を常に持ってやってほしいです。
というものがありました。やる気と熱意、努力を惜しまない、といったことを忘れずに、パラリーガルを目指して欲しいと思います。
取材後、事務所内の様子を見学させていただきました。500人を超える規模というだけあってとても広く、また高層にあるため窓から見える景色が最高にきれいでした。
今回4つの法律事務所を訪問しましたが、どの事務所のパラリーガルの方も実務家であるという意識が高く、常に努力を怠らないでいる、という印象を受けました。また、一口にパラリーガルと言ってもその範囲はとても広く、扱う仕事もさまざまであることから、自分が目指したいパラリーガル像をある程度固めてから就職活動をするのがいいのではないかと思いました。
ご協力いただきましたパラリーガルのみなさん、ありがとうございました。






